奇跡の「話す」「書く」技術～脳を活かす奇跡の「メタ意識」コミュニケーション術

本書は、6章で構成されている。また、【他社意識】→【論理力】→【メタ意識】の順で、「話す」および「書く」技術を学ぶように構成されている。他社意識とは、たとえ親子でも、別個の肉体を持ち、別個の体験をする限り、そう簡単には分かり合えないという意識のことである。他社意識が強ければ強いほど、自然発生的に論理力が芽生えると記述されていた。論理力については第2章で記述されている。論理には、「イコールの関係」、「対立関係」、「因果関係」の３つの規則があり、他者意識が前提となる。メタ意識とは、自分と自分と相手ともに客観的に見る「天の目」を持つことである。第4章では、メタ意識を使った「話す」技術について15の法則が記述されている。法則の見出しは下記の通りである。法則１：他社意識を持て法則２：話題を提示しろ法則３：相手の立場を気遣え法則４：言葉は決して共通ではない法則５：自分の声を意識しろ法則６：相手の趣旨を掴め法則７：要点は明確にしろ法則８：「イコールの関係」を利用しろ法則９：相手が語った「常識」や「前提」を疑え法則１０：話の腰を折ってはいけない法則１１：論点のすり替えに注意しろ法則１２：文脈を掴まえろ法則１３：第一声で聞き手をのみこめ法則１４：「間」を大切にしろ法則１５：前書きを長くしてはいけないまた第5章では、メタ意識を使った「書く」技術について15の法則が記述されている。法則の見出しは下記の通りである。法則１６：「話し言葉」と「書き言葉」は違う法則１７：「書き言葉」は視覚に訴えろ法則１８：それ自体で完結しろ法則１９：主張は最後に書け法則２０：言葉の「キレ」と「重み」を感じろ法則２１：「主語と述語」を押さえろ法則２２：「接続語」を意識しろ法則２３：先を予想しろ法則２４：３つの論理的関係がキモ法則２５：主張は１つにしろ法則２６：各段階を論理で関係づける法則２７：設計図を作って全体を俯瞰しろ法則２８：理想的な「体型」と「オシャレ」をしろ法則２９：レトリックを駆使しろ法則３０：「書くという行為」こそ、思考の始まり第6章は、「メタ意識」トレーニングに関する内容であったが、難解なので、何度か繰り返し読んで内容を理解すればいいと思う。決して読みやすい本ではないが、出口汪シリーズの、話し方、書き方について書かれた本の中では、よくまとまっているという印象を受けた。出口汪氏は、本書以外にも話し方または書き方の本を執筆されているが、話し方、書き方の技術を身に付けたいのであれば、本書に特化して読めばいいと思う。