地球温暖化とのつきあいかた

IPCCの世界最高ランク数十人の中に入って活動していた著者による本。この本を読むまでは、ツバルのミスリーディングな報道やクライメートゲート事件などを聞くにつけ、IPCCのメンバーは研究費獲得の亡者、事大主義、日和見、嘘つきばかりが集まった腐った団体だと私は考えていた。しかし、中にはまともな人も居ることがこの本でわかった。著者の言っていることは、要約すると、「地球が将来に温暖化するかどうかは不確定要素が有り過ぎて、殆ど判らない。」ということ。また、「世界中の人々が協力して人為的に温暖化を止める共同作業は、殆ど不可能。」ということ。前記二点の結論を、冷静客観的に検証している。著者はIPCCの中の良心と言える。著者は一部のレビューの人の言うようなポジショントークをしてはいない。